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新型コロナウイルス感染症対策に関してイタリアでは

新型コロナウイルス感染症対策に関して、世界中で色々な対策が行われていますが、
ロンバルディア州の緊急対策で休校になったヴォルタ高校のドメニコ・スクイラーチェ校長は“マンゾーニの名著「許嫁(I Promessi Sposi)」の中から17世紀のミラノを襲ったペスト感染の状況を語る一部を引用して生徒たちへのメッセージをネット掲示板に掲載しました。

<ヴォルタ高校の皆さんへ>
“ドイツのアラマン族がミラノに持ち込むのではないかと健康省が恐れていたペストが、実際に侵入してイタリア中に蔓延し、人々を死に至らしめた…”
ここに引用したのは、1630年にミラノを襲ったペストの流行について書かれた「許嫁」の第31章の冒頭です。ずば抜けた先見性と明解な文章。ここ数日の混乱の中に置かれた君たちに、しっかりと読むことを勧めます。ここには全てが書かれています。
“外国人を危険と見なし、当局間は激しい衝突、感染者を異常なまでに捜索し、専門家を軽視し、感染させた疑いのある者を捕え、デマに翻弄され、愚かな治療をし、必需品を買い漁り、医療危機…….”
これは、マンゾーニの小説というより、まるで今日の新聞を読んでいるかのようです。
親愛なる生徒のみなさん、当然のことながら学校生活の中で学ぶリズムや規則は、市民生活の秩序につながります。休校に至ったという事は、当局がそれ相応の決断をしたことであって、専門家でもない私は、その判断の正当性を評価することも、また評価できると過信もしません。当局の判断を信頼、尊重し、その指示を注意深く観察して、君たちには次のことを伝えたいと思います。
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冷静さを保ち、集団パニックに巻き込まれず、基本的な予防措置をして日常生活を続けてください。この機会を利用して散歩をしたり、良い本を読んでください。体調に問題がなければ家に閉じこもる必要はありません。スーパーや薬局に殺到しマスクを求める理由もありません。マスクはそれを必要とする病気の人のために残しておいてください。
病気感染の勢いが速いのは、発展した文明の結果です。それを止める壁がないことは、数世紀前も同様で、ただその速度が遅かっただけです。このような危機における最大のリスクについては、マンゾーニ、そしてボッカッチョが、私たちに教えてくれています。
それは、人々の社会生活が毒され、市民生活が荒廃すること。目に見えない敵に脅かされると本能的に至る所に敵がいるかのように感じ、私たちと同じ人々までもを脅威とみなしてしまう危険があります。
14世紀と17世紀のペスト流行時と比べると、私たちには確実に進歩した医学があります。私たちが築いてきた社会と人間性という最も貴重な資産を守るために理性的な判断をしましょう。もしこれができなければ、”ペスト”が勝利してしまうかもしれません。
では、学校で君たちを待っています。
Domenico Squillace