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【第5話】サルデーニャ出身の著名人:その2 ガヴィーノ・レッダ(Gavino Ledda)

【第5話】サルデーニャ出身の著名人:その2

ガヴィーノ・レッダ(Gavino Ledda)
ガヴィーノ・レッダ(1938年、サルデーニャ島シリゴ生まれ)は、イタリアの作家、詩人であり、イタリア語とサルデーニャ語の学者です。彼は、自伝的作品「パードレ・パドローネ:Padre padrone」と、映画「イブリス:Ybris」の監督・主演で最もよく知られています。
レッダは父親のアブラモ(1908年-2007年)とマリア・アントニア(1914年-2013年)の間の羊飼いの家庭に生まれました。保守的な厳しい父親によって数週間の授業を受けただけで学校から連れ出され、成人するまで一切の教育を受ける機会を持てず、羊飼いとして働くことになります。太古からの牧畜世界であるサルデーニャ島で、父すなわち暴君・主人のもと、羊飼いとしての人生を歩み始めた幼い少年は、森の音、嵐、イナゴの襲来など大自然に鍛えられ、独自の世界観を獲得します。
ガヴィーノが読み書き能力を獲得したのは成人してからであり、兵役中に戦友の詩人フランコ・マネスカッキとの出会いを通じて、勉強を始め、独学で小学校の卒業資格を取得し、その後ローマ大学「ラ・サピエンツァ」で言語学の論文で文学の学位を取得しました。1970年、レッダはクルスカ学会に入会し、翌年にはカリアリ大学のロマンス文献学の助手に任命されました。
1975年、小説「パードレ・パドローネ」で、羊飼いから言語学者になった自身の自伝的物語を語りました。この作品は、過酷な幼少期から学問を通じて自己を解放するまでの物語を描いています。家族の束縛、貧困、そして知識への渇望という普遍的なテーマを扱っており、世界中で高く評価されています。
40カ国語に翻訳され、ヴィアレッジョ賞の新人小説部門を受賞し、その成功により1977年にタヴィアーニ兄弟によって映画化され、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールと国際批評家連盟賞(FIPRESCI)を受賞しました。
1984年、レッダは「イブリス」というタイトルの映画を監督しました。
2020年、サルデーニャを舞台にしたサルヴァトーレ・メレウ監督の映画「アッサンドラ:Assandira」では主演を務め、第77回ヴェネツィア国際映画祭でコンペティション外で上映されました。この映画はジュリオ・アンジョーニの同名小説を原作としています。
ガヴィーノ・レッダは、サルデーニャの象徴であり、解放の象徴でもあります。
羊飼いとして生まれ、文盲から学位、言語学、クルスカ学会、詩へと進んだレッダは語ります。
「若者たちは私を慕ってくれます。私の本を読んで、多くのの若者が学業につき、そして今でも感謝してくれています。私の人生は変わっていません。私が書いたものは、私の物語に対する当然の行為でした。
文化はまだ "パードレ・パドローネ" のままです。」
ガヴィーノ・レッダは現在87歳ですが、若く、信じられないほどの活力を持っています。黒髪は「遺伝的なもの」であり、小説と映画の有名な「パードレ・パドローネ」である彼の父親は、99歳で亡くなったと、少し自慢げに強調しています。現在、レッダは、大学の教職を退き、故郷のシリゴに土地を購入して、農業と牧畜に携わっています。

引用文献:Gavino Ledda, scrittore italiano Da Wikipedia, l'enciclopedia libera
次回4月18日は、「フランチェスコ・チレーア:Francesco Cilea」 です。