ブログ BLOG

【第9話】プーリア州出身の著名人:その2 ロドルフォ・ヴァレンティーノ(Rodolfo Valentino))

第9話:プーリア州出身の著名人:その2
ロドルフォ・ヴァレンティーノ(Rodolfo Valentino)

ロドルフォ・ヴァレンティーノ(カステッラネータ、1895年-ニューヨーク、1926年)、または単にルディ(Rudy) は、1900年代初頭の無声映画と白黒映画における偉大なスターの一人であり、その時代のセックスシンボルとしても知られ、「ラテン・ラバー:Latin Lover」という異名を与えられました。
彼の演技スタイルは、チャーリー・チャップリンをはじめとする当時の映画界の巨匠たちに高く評価されました。
彼は、イタリア人の父ジョヴァンニ・グリエルミ(元騎兵隊大尉の獣医)とフランス人の母マリー・ガブリエル・バルダンとの間に、4人兄弟の3番目として、ターラント県カステッラネータで生まれました。
並外れた美貌を持つルドルフ・ヴァレンティーノは、磁石のように人を惹きつけ、捉えどころのない魅力を持っており、カサノヴァやドン・ジョヴァンニのような、ややステレオタイプで時代遅れのモデルとは全く異なり、極めて現代的な女性の憧れの的となりました。映画がまだ初期の段階にあった時代において、彼のこの魅力は、疑いようのない俳優としての才能に加えて、彼を生ける伝説にしたのです。
カステッラネータで小学校に通い、その後(1904年)ターラント、そして(1906年)ペルージャで学びました。父の死と経済的および家庭的な問題により、ONAOSI(イタリア国立衛生孤児援護事業団)の寄宿学校に入り3年間在籍しました。その後、ジェノヴァのサンティラーリオの「ベルナルド・マルサーノ」農業専門学校を卒業し、そしてターラントに戻り数ヶ月滞在した後、パリへ休暇に出かけました。

ターラントに戻った後、彼は夢を叶えるためにアメリカへ渡ることを決意しました。ターラント出身の音楽家、ドメニコ・サヴィーノがアメリカで確固たる地位を築いていたことも、彼がアメリカで成功したいと考えた理由の一つでした。ロドルフォはドメニコの妹と親しく、1913年に貨物船クリーブランド号でアメリカへ向かいました。
12月23日にニューヨークに到着し、最初は庭師として、次にウェイターとして働きました。そこでドメニコ・サヴィーノと出会い、燕尾服を贈られました。彼はナイトクラブ・マキシムに行き、そこでタクシーダンサー、つまり有料のダンスパートナーとして雇われました。こうして女性客からの気前の良いチップのおかげで、経済的な苦境を脱することができました。

その後、カステッラネータ出身のこのダンサーはサンフランシスコに移りました。オペレッタ劇団に雇われ、そこでアメリカ人俳優で無声映画のスターであったノーマン・ケリーと出会い、ハリウッドへの移住を勧められました。そこで彼はエキストラとしていくつかの映画に出演しました。1921年、彼は「黙示録の四騎士」でフリオ・デノワイエ役を演じ、ついにその地位を確立しました
こうして彼は最初の大衆スターの一人、最初のセクシーシンボルの一人となり、その並外れた美貌と磁力的な魅力によって彼のファッションスタイルを「ロドルフォ・ヴァレンティーノ風の服、ロドルフォ・ヴァレンテーノ風の髪型、ロドルフォ・ヴァレンティーノ風のブーツ」として決定づけました。俳優としての彼の役割、つまり彼を有名にしたのは、その視線「ロドルフォ・ヴァレンティーノ風の視線」で、相手役の女性を魅了するロマンチックなヒーローとなったのです。
ロドルフォ・ヴァレンティーノは、1926年8月23日にニューヨークのポリクリニック病院で腹膜炎のため亡くなりました。ヴァレンティーノの遺体がキャンベル葬儀社で荘厳に安置されている間、ニューヨークの街路は、かつてない集団的な熱狂の場となりました。10万人の群衆が、この偉大な恋人を最後に一目見ようと激しく争いました。

彼の墓は今もなお、花束で飾られています。命日には、喪服を着た女性たちの行列と、有名な「黒衣の貴婦人」が現れます。デロングレ公園には、彼の栄誉を称える像(ハリウッドで映画スターのために建てられた唯一の像)「憧憬」が建てられました。
そして、彼がニューヨークで亡くなった1986年、無声映画の時代は終わりました。カステッラネータは、映画とショービジネスの愛好家たちが地域全体から集まる映画館で、ロドルフォ・ヴァレンティーノ賞を設けて彼を偲んでいます。
昭和3年(1928年):この時期、日本ではロドルフォ・ヴァレンティーノが、整髪料丹頂の広告モデルとして起用されました。

引用文献:Rodolfo Valentino: l’emigrante pugliese più conosciuto nel mondo
次回5月28日は「Il più grande comico italiano Totò」です。