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Baci:バーチチョコレート

イタリアからのお土産の定番ともなっているバーチ・チョコレート。
イタリア中部ウンブリア州の州都ペルージャにあるPerugina社のヘーゼルナッツ(イタリア語ではnocciola)の入ったチョコレートのお話。
Perugina社(ペルジーナ社)は経営をFrancesco Buitoni(フランチェスコ・ブイトーニ)氏、お菓子の生産技術を女性実業家Luisa Spagnoli(ルイーザ・スパニョーリ)が担当し、1907年に創業されました。
“Baci”は1922年、Luisa Spagnoliが、チョコレート菓子を製造する際に余ったヘーゼルナッツを利用しようと考えたアイデアから生まれ、ヘーゼルナッツが入ったチョコレートはまるでゲンコツのような形をしていたため当初は “cazzotto (ゲンコツ)”と呼ばれていました。
この頃から経営に参加していたFrancesco の息子Giovanni Buitoni (ジョヴァンニ・ブイトーニ)は、Luisa より14歳年下でしたが、彼女と愛し合うようになり、このチョコレートに“Bacio (キス)”と言うロマンチックな名前を薦めたのです。そして、この名前になると“Baci”(bacio の複数形)は大変な勢いで有名になりました。
そこで、この社のアートディレクターFederico Seneca(フェデリコ・セネカ)が大きな二つの改革をしました。
チョコレート毎に、愛についてのフレーズがイタリア語・英語・フランス語などの言語で書かれている紙「cartiglio:カルティッリオ」を入れ、パッケージを青色にし、そこには星空の下のカップルを描いたのです。
こうして販売戦略も成功し、1950年代には
“Ovunque c’e amore c’e un Bacio Perugina:愛のあるところにはペルジーナのバーチョがある”という宣伝文句で、Baciチョコレートをプレゼントすることで、より効果的な愛情を表現できるように感じさせたのです。そしてこれを一回り小さくしたBacetti(小さなキス)チョコレートも生まれました。
Baciチョコレートは、一つ一つ青い星が散りばめられている銀色の包み紙に包まれ、ヘーゼルナッツが丸ごとひとつとジャンドゥーヤが入ったダークチョコレートです。
また中身はそのままでバニラ風味のホワイトチョコレートに包まれた“Baci bianco:バーチビアンコ”という種類もあり、この包み紙は青色で白い星が輝いています。