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アコーディオン(la fisarmonica)の父(イタリア見聞録)

イタリア、アドリア海沿岸の城塞都市「カステルフィダルド:Castel-
fidardo」は、世界中のアコーディオン生産量の大半を占める街です。
その歴史は、1863年にイタリア、マルケ州のカステルフィダルドの貧しい農家ソプラーニ(Soprani)家が、一人のドイツ人の巡礼者を家に泊めたところから始まります。
このドイツ人は、感謝の気持ちを表すために、所持していた楽器(黎明期のアコーディオン)をソプラーニ家に置いていったのです。この家の青年パオロは、この楽器の構造に大変興味を持ち、分解したり組み立て直したりし、遂にはその構造を把握したのです。そして兄弟たちと共に家の地下室で、研究、改良してアコーディオンを製作し、街近隣のマーケットに売りに出したところ評判となったため、本格的にアコーディオンの製造を始めました。
パオロ・ソプラーニ社は街の中心に拠点を移し、従業員を増やしてゆき、1800年末頃には、息子のルイージとアキッレも加わって、400人の従業員を抱えるまでの規模になりました。そしてこの頃、カステルフィダルドにはパオロの兄弟たちによる社も含め、アコーディオン社が13社にもなり、パオロは、アコーディオンの生産を一大産業にまで発展させた「アコーディオンの父」となったのです。
1900年には、パオロ・ソプラーニ社はパリ万国博覧会に参加し、パオロはブリュッセルとパリの発明家アカデミーの名誉会員になりました。